熄えないで





「そういえばテスト、近いけど勉強平気?」

「う、うん」

「俺、今日の放課後なら空いてるんだけど。範囲出たし、数学ちょっと教えようか?二千花、放課後はまた図書室に行くんだろ?」

「え、な、成川くん」

「少しだけ仕事やってから行くから、先に図書室で待ってて」



なにも承諾していないのに次々に決められる放課後の予定。

私は何一つ断ることが出来ないまま、今日の放課後、成川くんに勉強を教えてもらうという予定ができてしまった。



待ち合わせは図書室らしい。

どうか、今日は吉乃くんが図書室に来ませんように。


お母さんの作る甘いたまごやきを口に運び、ただただそれだけを願った。


成川くんと一緒にいる所を 吉乃くんに見られたくないと思ったのは、ほとんど無意識のことだった。




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