熄えないで




…また会ってしまった。


吉乃くんいわく昨日は“狙って来た”らしいけれど、今日はどうだろう。



そもそも私がこの場所のヘビーユーザー過ぎるだけなんじゃないか。吉乃くんだってもともと図書室は利用している人だった。


ともすれば吉乃くんと私の出会いは───必然、とでもいうべきか。



いや、それはさすがに自意識過剰かな。

とにかく、なんでもかんでも“偶然”に当てはめようとするのは違うのかもしれないな、と ぼんやりそんなことを考える。



「あ!先輩!」



すると、そんな私に気づいたのか、蒼志くんがこちらに向かって大きく手を振った。図書室に似合わない大きな素振りと、十分な声量だった。


彼の声につられて吉乃くんも振り返る。私の姿をとらえてペコリ、吉乃くんは控えめに頭を下げた。


すこしだけ、ほんの少しだけ……気まずい、けれど。


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