熄えないで





「わかんないとこ、俺が教えてあげましょうか」

「…え」

「3年生の授業って、基本受験対策なんですよね?数学と英語は2年のうちに教えることは終わらせてあるって担任から聞いたことあるんで。多分教えられると思います」




「言ってた!」と同意する蒼志くん。

そういえばそんなことを私も去年言われたような、言われてないような。



「あと、俺、頭いい方なので」



吉乃くんが言うそれは、全然嫌味に聞こえない。淡々と述べられた事実に、私は断ることを忘れて、気づけばその言葉に頷いていた。




「明後日の放課後とか空いてますか?明日は俺、用事があって」

「あ、うん…空いてると思う、」

「じゃあ、明後日。蒼志もいますけどすいません」

「吉乃、俺のこと邪魔者みたいに扱わないで」

「うん、大丈夫」

「先輩もひどくない!?」



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