熄えないで




なんで、こんな時間に蛍原さんがここにいるんだろう。今撮った写真をどうするつもりなのだろう。


触れ合ったりはしていないけれど、下手にバラまかれたりしたら吉乃くんにも迷惑が掛かってしまう。


もしかして、どこからかあとをつけられていた?



「やぁだ、つけたりはしてないですよ?あたしここらへんでバイトしてるんです。たまたま見かけたから写真撮っちゃいました」

「…、そう」

「にしても先輩、山木とデキてたなんてね」




蛍原さんが、今撮ったであろう写真を眺めながらニタニタと笑っている。

何かを言ったところで彼女の耳に私の言葉が届くとは到底思えなかったので、何も言わずぎゅっと唇を噛んだ。


私にできることは何もない。関係性は誤解されているけれど、私と吉乃くんの間に既成事実があるのは確かだ。


蛍原さんはそのことは知らないと思うけれど、私のことを陥れるためのなにかが欲しかったのだろうな、ということは何となくわかった。

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