熄えないで




「おーい?吉乃も先輩も遅いよー。早く歩いて!」

「ごめん蒼志くん」

「ワッフル10個買ってくれるならいいっすよ」

「えっ増えてる」




そんなやり取りをしながらたどり着いた吉乃くんたちの教室。


クラスの人たちはみんな制服を着ていて、ただ本当にワッフルを作って売っているだけのように見えた。



「ここにしよ。先輩も座って!俺今から作ってくるから!」

「え、蒼志くんがつくるの?」

「本人目の前にしてそんな嫌そうな顔します普通?安心してくださいよ」

「蒼志はああみえて料理センスはあります」

「そうなんだ…」




簡易的に並べられたテーブル席に座り、はりきってワッフルを焼く蒼志くんを眺める。


蒼志くんはおバカなところは見た目通りだけど、料理ができるのは結構ギャップがある。
顔も整っているし、もう少し大人しくしていればモテると思うけどなぁ、とそんなことを考える。


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