熄えないで
「まあ、でもちょうどよかったです。今日かいちょーと約束してるんですよね」
「…どうして知ってるの?」
「かいちょーから聞きました。そのことで、なんですけど。別日にしてあげた方が良いと思うんです」
え、と思わず声が洩れた。
今日を指定したのは成川くんの方だ。
蛍原さんがそう言っているということは、生徒会の仕事でなにかまたやらなければいけないことが増えてしまったということだろうか。
忙しいのなら、手間を取らせるわけにはいかない。
けれど、これ以上 こんな気持ちのまま成川くんのそばにいることもしたくはなかった。
どうしよう。どうするべきなのだろう。
「はぁ…。もー、先輩、どうせ知らないだろうから教えてあげますけど!」
ぐるぐる考えていると、蛍原さんが大げさすぎるため息をつき、そして私と視線を合わせた。
ぐっと息を呑み込み、彼女の言葉を待つ。