泡沫夢幻
暑さがすっかり消え、もうすぐ12月になる。
長期休みや連休ってわけでもないのに人が多い。
「駿、迷子にならないように誰かと手をつないでいなさい」
私がそう言うと駿はままっ!と妻の手をそっと握った。
「もうすぐイルカショーが始まります。
チケットをお持ちのお客様は………」
アナウンスが響き、私たちもそこへ向かう。
「早く行こう!ほら早く早く!」
"イルカショー"と聞いて
テンションが上がった駿は妻の手を引いて走ろうとする。