泡沫夢幻
「し……ん、」
「兄貴っ?!」
最期の力を振り絞り声を出す兄貴。
「し、ん、おれ、は、「お父さんっ、お母さんっ、ひよりをおいて行かないで、1人にしないでっ」
隣には女性警察官に身体を預け泣きじゃくる女の子がいた。
透き通るようなその声は今にも消えそうで、
そんなことを思っていると
「駿、ありが、とな」
兄貴は言い切ったとすがすがしい笑顔で眠りにつく。
ピーーーーーッ
「常盤奏さん、ご臨終です」