泡沫夢幻
4代目飛龍が再び集まることになったのは、私たちが30歳になったころだった。
としと彩音の結婚式や私と百合の結婚式などに飛龍の幹部が集まることがあったものの、そういった場所に神崎さんが顔を出すことがなかった。
そんなとき、突然神崎さんからなんとも他人行儀な連絡が入った。
「お久しぶりです。
この度、わたくし神崎理子は、両親が設立した神崎組の副社長に就任する運びとなりました。
つきましては、学生時代にお預けしていたネックレスを引き取りに来たいです」
と。
私たちは鍵を持ち寄って高校卒業まで、汗水流した飛龍の倉庫に集まることを決めた。