泡沫夢幻


「俺らがうやむやにしてしまったから…」
誰かがぽつりとつぶやいた。

「トオルは手強いです。
お世話になっている警察官に相談しましたが、なかなかいい顔されなくて…」
15代目の総長はそう語尾を濁した。



「終わらせよう、やるしかない」


誰かが言ったその言葉で現役に戻ったように4代目の士気が上がり、
私たちは終わりへの一歩を踏み出した。

< 192 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop