泡沫夢幻
私は警察官として、大きな任務を背負っていた。
それは百合が亡くなる直前に決まって、状況が変わったとはいえこのまま放置するにもいかなくて奏に家を、駿を託して神崎家を潜入調査するための準備を始めた。すぐに戻ってくる予定で、執事としての修行を始めた。
奏が高校に入り飛龍に関わっていることを仲間たちからの連絡で知り、奏と手紙でのやりとりが始まった。
その頃、私は1人の執事として神崎家で仕事をしていた。
「涼さん」
神崎さんが私の名前を呼ぶ。
神崎理子___彼女の首元には学生時代見せてくれたネックレスが光る。
話し合いの結果神崎さんのネックレスを取り出すことを諦め、
その代わりに有名なメーカーに就職した仁志がレプリカを作成した。
本物はまだ飛龍の幹部室の一角にある。
「お部屋のお掃除頼んでもよろしいかしら?」
彼女がたくさんいる使用人の中からあえて私を呼ぶときは
彼女の夫である社長が動き始めたとき。
「はい、奥さま ただいま。」
深呼吸して私は神崎さんの部屋へ向かった。