泡沫夢幻
リーンリンリン…
ベルの音と共に目を覚ます。
いつの間にか寝てしまっていたらしい俺は目を覚まして真っ先に目に入ってきた机の上に出しっぱなしの真っ白な宿題を見て1つため息をつく。
昨夜、父さんの話を聞き終わってお風呂も済ませ時計を見ると23時45分を過ぎていた。
とりあえず明日の準備だけはしようと鞄を開け、国語の宿題があったことを思い出した。
1時までは粘ったんだけどな…
真っ白な紙と時計を見比べて少し考える。
現在の時刻は7時。
今から急いで準備して学校行けば終わらせられるかもしれない…
父さんの話は…今日帰ってから改めて聞こう。
パチン、と頬を叩いて自分に喝を入れた。
- とりあえずこれは身につけておきなさい -
最後にそう言われて渡されたのは兄貴が大切にしていたネックレス。
「飛龍の幹部だという女が届けてくれたんだ」
名前は確か…美玲?とかそんな感じの名前だ…
父さんは曖昧に語尾を濁して詳しくは教えてくれなかった。