泡沫夢幻


すっかり重くなった身体を起こして学校へ行き、いつもの通り授業を受け、あっという間に放課後になった。
昨日のことがあったとはいえ佐野さんとは普通に会話を交わした。

そして今は花屋さんにいる。
「この花…月下美人っていうのか…」

「あら駿くん!」
綺麗な白い月下美人が咲いた写真を見ながらこの鉢植えを買おうか悩んでいると椿さんがにこにこと話しかけてきた。

「さすが駿くんね。月下美人ははなちゃんの好きなお花の1つよ」
その一言で買うことを決めた。

今日はふと兄貴に会いたくなって向日葵の切花を1本買った。

「椿さんありがとう。また来ますね」
向日葵と月下美人を受取り、お礼を残して店を後にする。

< 208 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop