泡沫夢幻


午後3時半。
「ひよりちゃん、また来てね!」
椿さんに見送られ、2人で店を後にする。

椿さんの作ったお昼ご飯を食べ、近所のおばさんたちと話をして今日の仕事は終わった。
話していたのはひよりの方で、俺はただ聞いているだけだったけど。
月下美人の鉢植えを嬉しそうに抱えたひよりはスキップしながら先を行く。

花火大会のことはまだ聞けていない。


「駿くん、どうしたの?」
首をこてん、と傾けてこちらを見つめるひよりにあぁ、すきだなぁなんて愛おしさを感じ、なんでもない!と笑って追いかけた。

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