泡沫夢幻


特に気に留めてはいなかったけど、そういえば、言われてみれば、最近 陽菜や颯太から連絡が一切来なかった。連絡をとっていたのはひよりと、それから佐野さんくらい。
なぜか、佐野さんから族の情報が飛ばされてきていた。

族の世界なんて俺には関係のない世界だと思って無視してたけど。
陽菜と颯太から連絡来ないのは珍しい、ついに俺離れか?!と呑気に考えていたけれど。

佐野さんの最後のメッセージの『野崎さんには気をつけて』という一言が引っかかって、一瞬にして恐怖が襲った。

野崎は____である確率が高くて、
もしも、これが当たっていたら…………



「あら、帰ってくるの早いのね」
全速力で走ってあと少しで家だ、という所で聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「まさか、おまえ、、かよ、」
嫌な予感は当たるもので、野崎がきょとんとした顔つきで俺との距離を一歩ずつ詰めてきた。
「あら、なんの話?」
そういって、ニコッと笑って。
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