泡沫夢幻


私たちの家は「藜-アカザ-」と呼ばれる組で、元々飛龍と仲が良かった。
お父さんが元々飛龍の幹部だったみたいで、お母さんが藜の血を引いてて。あまり大きくはない組だったけど、警察との関係は良好で、野蛮な組織とは言えないほど。
わたしとお姉ちゃんはよく出入りしてて飛龍のメンバーにお世話になっていた。

大広間で話すことが多くて、たくさん遊んでくれて。
お姉ちゃんは中学生になった頃から幹部室に出入りするようになっていた。そこで出会ったのが常盤奏。
2人が恋に落ちるのはそう時間はかからなくて、2人が付き合ったことを知ったときにお姉ちゃんが飛龍の姫になったことを知らされた。
姫といえば総長の彼女がなるものだけれど、私たちは藜の血を引く人間だから、守られなければならないらしい。

どんどん可愛くなっていくお姉ちゃんとは対照的に、私は女の子らしさなんてものをどこかに置いてきたらしく、下っ端と呼ばれるみんなとトレーニングをするようになった。


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