泡沫夢幻
「じゃあ何かあればナースコールを押してね」
そう残し先生は部屋を出た。
ひよりが目覚めた。
その喜びもつかの間、
「常盤くん、帰り際寄ってほしいんだけど」
眉間に皺を寄せて小声で俺を呼ぶ看護師。
少し嫌な気がした。
なんで、そう聞こうとしたけれど看護師さんは
「水瀬さん、ゆっくり休んでなさいね。
無理に動こうとしないこと。
それからどこかに痛みを感じたらすぐに知らせて」
とプロの笑顔でそう残し部屋を出ていった。