泡沫夢幻


『俺は駿を守るために強くなったんだ。
 駿もいつか大切な人ができたときに守れる人になれよ』


目を覚ますとカーテンの隙間から太陽のまばゆい光が差し込んでいる。
壁にかかった時計は5時半を指している。


久しぶりに懐かしい夢を見た。

兄貴が息を引き取る直前に残した言葉。


隣にはすやすや眠る愛おしいキミの横顔。

「兄貴、俺も見つけたよ」
そう呟き、幸せそうに眠るキミの頬を撫でた。


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