泡沫夢幻
「常盤くん、本当に行くの?」
「はい、もうこうするしかないので」
「あなたはまだまだ未来があるのよ!」
「でも、俺が行かなきゃ誰が父さんを救うんですか?
俺はひよりやひよりの家族を信じます。
だけど傍にいるだけでひよりは狙われる。
これだけはどうしても避けなきゃいけないんだよ!
だから、、
ひよりのこと、任せましたからね」
「わかったわ、あなたがそこまで言うなら」
少年が決心した目で保健室の扉を開け、走り出すと同時に
シャッ とカーテンの開く音がする。
「常盤が全て背負うことじゃないのに…」
声の主はうつむきながら白衣の女に近寄る。
「美玲、、あの子を今度こそ救うのよ」
「ええ。
私は常盤を信じる。
そして………今度こそひよりを救うわ」