泡沫夢幻
「あれ?常盤とひよりじゃん!」
俺が全てを打ち明けようと決意し、
口を開いたその時、
甲高い女の声が響き渡る。
そしてその女、野崎は俺らのもとに満面の笑みで駆け寄ってくる。
「あっ、悠里ちゃん!」
ひよりが嬉しそうに野崎に手を振る。
野崎はひよりにニコニコしながら手を振り、
それから俺の耳に顔を近づけ
「あんた "それ" を言ったらどうなるかわかってるよね?」
と俺にしか聞こえないくらいの黒い声でそう告げた。