泡沫夢幻


「なによりも、俺を信じてくれてありがとう」
うんっ、と満足そうに笑うひよりの手を取った。

「なにを今更!って思うかもしれないけど
俺はずっとひよりが好きだよ」

その一言でたちまち茹でたタコのように真っ赤に染まっていくひよりの頬を撫でる。

「ここからまたやり直せないか?」

「はい、お願いします」
そう答えるひよりから手を離し、ポケットから箱を取り出してひよりの後ろに回る。

昨日耀に持ってきてもらったネックレスをひよりの首につける。


「っ!ありがとう…!!」
つけ終わると、
ひよりは携帯で首元に光るそれを確認し、
嬉しそうに撫でて目を閉じた。


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