泡沫夢幻
「見てみて!」
朝からひよりの声が響く。
「ほら!咲いたの!」
この前植えたと話していた月下美人の写真を見せながらはにかむひよりの頭を撫でる。
「皆びっくりするかな?」
「するだろうな」
今日、退院して初めて学校に行く。
颯太と陽菜には退院したこと、
少しの間自宅療養が必要と言われたこと、
を伝えてから1週間が経っていた。
野崎は殺人未遂や組のクスリの件など諸々で少年院に入ることに。
ようやく平和な日常がやってきそうだ。