泡沫夢幻


「ねぇ、駿くん!」
帰り道、ポニーテールを揺らしながら歩くひよりが話す。

「月下美人見て行かない?
おじいちゃんもおばあちゃんも
駿くんに会いたがってる。」
そう言って頬を赤らめて俯く。

「うん、行くよ」
俺がそう答えると

「やった」
と笑顔になるひより。


この笑顔が本当に好きだ。
もう傷付けさせない。
誰にも渡さない。


1つ、深呼吸をした。

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