泡沫夢幻


何年も開けていない両親の部屋は、少し埃っぽかった。
閉めっぱなしのカーテンと窓を開けるとまだ冷たい風が入ってきた。
壁には俺が幼稚園の頃に描いた家族4人で笑っている絵が貼られていた。

埃を拭き取り、掃除機をかけ、部屋を後にする。

兄貴の部屋は手紙を見たあの日以来踏み入れていない。

この前見てしまった手紙を目に入れないように掃除機をかけた。


カチャッ

掃除機が何かのカギにあたる音が聞こえた。
とりあえず拾い上げ机の上に置いておいた。







それからまた月日が経って俺たちは中学3年生になった。


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