泡沫夢幻
「なぁ、駿。
お前、中学に入ってから色々あってしんどかったと思うけど、これからも笑えよ」
グラウンドを慣らしながら燿が話しかける。
「お前、普段誰も頼らねえから俺心配なんだよ。
高校離れてもいつでも頼れな?」
そう肩に手を置いて笑いかける。
「あぁ、ありがと。
考えておくよ」
なんて言って燿の持っているブラシを奪う。
「お前のこと頼りにしてるぞ!」
なんてその時はそう笑ってたが
中学で出会った燿が、
この先何度も救われることになる
かけがえのない友人となることを
この頃の俺はまだ知らない。