泡沫夢幻


放課後になり、相変わらず明るい陽菜に引っ張られている真っ青な顔をして明らかに沈んでいる颯太に
「ドンマイ」
と肩をたたき見送る。


今日の夕飯、どうしよっかな~
とスマホを開く。

新聞の定期購読をしていないから当然、チラシも入ってこない。
毎朝よーママがスーパーの折り込みチラシの写真を送ってきてくれている。

今の時刻は16時少し前。
よし、カレーにしよう。
と決心し、教室を出ようとしたとき

「あのっ!」

と、どこかで聞いたことのある透き通った女の子の声が聞こえた。

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