泡沫夢幻
「あのっ、えっと、、
昨日は、ありがとうございました!」
昨日…俺なんかしたっけ?
必死に頭を下げるその女の子に見覚えがなく、
首をかしげる。
そんな様子を見て彼女は
「私、入学式で倒れて
それで、保健室まで運んでくれたって…」
と話を続ける。
「あ!昨日の!あの後大丈夫だった?」
顔を見て、保健室という言葉を聞いて思い出す。
そういえば、あの後保健室から帰ってこなかったよね?と聞くと、
「一昨日、おじいちゃんが倒れてそれでおばあちゃんもパニックになって忙しくて全然眠れてなくて…」
と恥ずかしそうに話す。