泡沫夢幻


「行ってきます」
誰もいない家のなかに向かって声をかける。



「常盤くん、陽菜ちゃん、おはよう!」
あの日からよく水瀬とは話すようになった。


「ひよちゃ~ん!おはよう!」
朝から天使だ~!と水瀬に抱きつく陽菜。

「あんたも大変ね、あの子のお世話係」
ニヤニヤしながら隣に立つのは佐野さん。

「てか颯太は??寝坊?」
佐野さんが鋭い突っ込みをすると、
かわいいかわいいと水瀬の頭を撫でていた陽菜は聞いていたのか自信に満ちた顔で答える。

「もちろん、寝b「誰が寝坊だ 、ばか」
陽菜の声をさえぎり、額の汗を拭いてそう答えるのは颯太。

陽菜と颯太はギャーギャー口喧嘩して
呆れた顔で見ている佐野さんに
苦笑いの水瀬。

まったく、朝から騒がしい。

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