泡沫夢幻


「常盤くん、お花好きなの?」
水瀬が目を輝かせて聞いてくる。

「いや、そういうわけじゃないけど」
そう返すとなんだぁ、と笑顔で笑い、

「それよかったらくれない?」
と聞いてきた。


「ひよちゃん花好きなの?!
女の子だぁ!!!!」
かわいいかわいいとまた頭を撫ではじめたのは陽菜。

「おい、陽菜。そこら辺にしとけ。水瀬が戸惑ってる。
んで水瀬、これやってもいいけど期限今日までなんだ。
帰りに寄る用事あるから一緒に行くか?」

そう告げると陽菜は渋々水瀬から離れ、佐野さんにちょっとは大人しくしなさい!なんて怒られはじめた。

佐野さんって母親みたいだなぁ。


そしてその隣で、陽菜は目を輝かせ
「うん!行く!行きたい!」
と答えた。

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