不眠姫と腹黒王子

宮side:2日目の夜





***

「あぁ~、ふとんさいこぉー!」


そう叫び、徹が布団の中に倒れこんだ。


今日は一日動物園を満喫し、
お土産も買って宿に帰ってきた。

修学旅行、結構楽しかったな。

人より冷めてる人間だと思ってたけど、
なんだかんだ俺も高校生男子って訳だ。

俺より円の方がよっぽど冷めてた。

冷めてるっつーか、疲れてた、かな。


あいつ、今夜は眠れるかな…。

「おい、恭介。」

「え…?」

徹に呼ばれてハッとなった。

「なにボケッとしてんだよ。
さては女のことでも考えてたろ!」

まぁ、女っちゃ女だけど…

「ちげぇよ。ホント、そればっかだなお前。」

「当たり前だろ!
あー、今日の円ちゃんマジ可愛かったなぁ…」

「それなー!」

徹がうっとりとそう言うと、
同じ部屋のやつらが意外にも同意を示してきた。

「お!お前らも思った!?」

「そりゃあなぁ!」
「髪整えてるの、1年の時以来に見たけど、
やっぱ印象変わるよな。」
「もとが美人だからなおさらな。」

「おいおい!
円ちゃんは元々俺のお気に入りだぞ!」


徹が意味わかんない主張をして、
みんながゲラゲラと笑った。


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