不眠姫と腹黒王子
宮side:不本意な協力
「最悪…」
俺が呟いた言葉に、平塚 徹(ひらつか とおる)は
「なんかあったん?」
と、軽く問いかけた。
徹は唯一俺の本性を知っている友人だ。
小学校からの友達で、ずっと仲良くしてきた。
時々女にはチャラいけど、
こんな俺にも引かない心の広いやつで、
見た目も俺に劣らぬイケメンだ。
まぁそれはひとまず置いといて。
「さっきも言ったろ?
変態女に脅されてんの。」
「ああ、それ?
変態女って、高山さんだろ?
いいじゃん、美人で巨乳な女子に添い寝要求されてるってことじゃん?」
「そんないいもんじゃねぇよ。
不眠症とか言ってるんだぜ?
どう考えても、中二病か変態だろ。」
徹はケラケラと他人事のように笑った。
まぁ他人事だけどな。