不眠姫と腹黒王子
「いいから、黙ってなんも考えんな。」
「だから、そんなこと…!」
「黙れ。」
「……。」
シャツ越しに、宮の手の体温が眼球に染みていく。
あったかいな…。
それに、なんかいい匂い。
あ、これこの間も感じたんだ。
体育の時。
いい匂いがして、ふわふわ安心して眠れた。
これってなんの匂いなのかな…。
香水っぽくもないけど、
柔軟剤?
宮が柔軟剤の香りのするシャツ着てるって、
ちょっと面白いね。
それにしても安心する匂いだな。
あとで、柔軟剤買ってる店の名前教えてもらお。
あ、
これ…
この感覚、知ってる…