不眠姫と腹黒王子
放課後ーー
「おい、なんで今日は保健室なんだよ。」
保健室に入ってきて早々、
宮は不機嫌顔で私に尋ねた。
「安心してよ。
保健の先生今日は戻らないなら。」
「でも、他の生徒だって…」
「カーテン閉めれば平気だよ。
文句言ってないで、来て。」
宮は舌打ちをすると、大人しく私のあとに続いた。
一番奥のベッドに近づき、
中に入ってカーテンを閉めた。
「じゃあ、そばにいて。」
「言われなくてもわかってるよ。」
私がモゾモゾとベッドに潜り込むと、
宮はそばの椅子にどかっと座った。
「こんないかにも、なシチュエーションなのに
なんで相手がお前なんだよ。」
「は?」
「お前じゃ、微塵も興奮しねぇっつーの。」
「そう。安心したよ。
結にも言われてるの、気を付けろって。」
「はぁ!?
俺がお前なんか襲うわけねぇだろ。」
「知ってるよ。」
布団をかけ、目を閉じることで、
強制的に会話を終わらせた。