狼の愛したお姫様
邂逅遭遇
「危ないから、ちゃんと握っててね?」
「うん…わかった。」
私は今、久しぶりの外にいます。
───遡ること30分前。
「困りましたね…」
「湊都、どうしたの?」
首を傾げて、困ったポーズをとっている湊都にかけよると、その目線の先には空っぽの冷蔵庫が。
「買い出しに行かなければ行けないんですが、あいにく朔夜は出かけていないですし、少しでも女性がいる場所へ冬真を1人ではやれないですし、遥は無駄なものばかり買ってきてしまう…」
…なんか、言葉だけ聞くと皆子供みたい。