狼の愛したお姫様
「…何してんの、冬真。」
私の目を塞ぎ、冬真が遥をジッと見つめている。
「なんか遥の事見てたら叶望の体に悪そうだから。」
「それ失礼だよ?」
やっと目から手を離してもらうと、遥がむくれていた。
「…冬真も意外とむっつりか。」
「誰がむっつりだ。」
そんなこんなで、騒がしい買い物も無事終わり───
「すっかり遅くなっちゃったね。」
確かに広いスーパーだったけど、遅くなったのはきっと遥の目的外の買い物と、まさかの冬真が方向音痴だったって事が致命的だったのかな。