狼の愛したお姫様


「ありがとう…」


何も聞こえないし、冬真の声も聞こえないけどそう伝えた。


冬真は本当に優しい。
少し無口で、誤解されがちな所もあるけど、そういう所も含めて冬真のいい所だって思う。




「…どういたしまして。」



冬真が私から離れた頃には、少し離れたところから遥が誰かを連れて帰ってきていた。






「…誰?そいつ」


目立つ白髪には所々赤い血がついていて、その髪のように白い肌にも傷が目立つ。


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