狼の愛したお姫様
「…あのさ、僕が誰だか分かってやってる?」
わかってるならその度胸は褒めたたえてあげたいけど、知らないならその無知さ加減を後悔させてあげなきゃいけない。
「お前が誰だろうと、俺はあの方のために働く。」
…あの方?
「あの方って誰?」
「教えるわけねぇだろう…がっ!!」
あ〜あ…鉄パイプを馬鹿みたいに振り回すだけじゃ意味ないのに。
「君、偏差値低いでしょ?」
喧嘩にも多少は頭を使う。
この男みたいに力が全てな喧嘩は僕のカモであって、滑稽でしかない。