狼の愛したお姫様


「ねぇ、まだ吐かないの?」

「…っ、例え、殺されても……っ吐かねぇ…よ」


大した忠誠心だなぁ。
そこだけは褒めてあげたいけど、やっぱり辞めた。



「君、本当に殺されかけた事ないでしょ。」


だからそんな甘っちょろい事が言える。


“例え殺されても”?





「じゃあ殺してあげようか。」

奪った鉄パイプを男の顔スレスレに突き立てると、男の股間あたりにシミを作った。



どうせこの男は捨て駒だろうし、同情はするけどね。




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