狼の愛したお姫様


「まだ余裕あるんじゃん。」


少し、優しくしすぎたかな。




「お前なんか、あの方が動けば……っ」


それ以上は言わせない。
なんか、この男同情してたから生かしてたけどやっぱムカつくわ。








「…あんま調子乗んなよ?」



急に声が低くなったからか、男はガタガタ震え出した。

…うん、その方が怯えてていいや。





「…こ、殺せよ……」

僕の目を見て本気さが伝わったかな。


覚悟を決めたようで、男はかたく目を瞑った。





< 133 / 213 >

この作品をシェア

pagetop