狼の愛したお姫様


───


「ただいま。」


次第に叶望は“慣れ”を感じていた。

もう両親は共依存でもしているのだろう、と。


父親は母親を殴らなきゃ生きていけない。

逆に母親は父親に殴られてもそばにいなければ生きていけない。



そんな両親なんだろうと。




「…バカみたい。」


そんな両親を見ていたからか、叶望はその頃から家を出ることが多かった。








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