狼の愛したお姫様
だってここは怜が私を閉じ込めるために借りた家で、防音だし窓なんてないから。
「皇華に居たんだってな、お前」
バレてる。全部。
「あの総長には抱かれたか?」
手首を掴む力が強くなった。
その力に顔を歪めると、怜は満足そうに笑う。
「だ、かれて…ないっ…」
必死に否定すると、降ってくるのは言葉ではなく乱暴で噛み付くようなキスだった。
「…ってぇな……何しやがんだ…よっ!!」
体が拒絶した。
怜の舌を、その唇を。