狼の愛したお姫様
「なぁ、痛てぇか?」
真っ白な壁を見つめるだけで、怜の問いには答えない。
「痛てぇかって聞いてんだろ?」
そんな反抗が気に入らなかったらしく、前髪を掴まれて無理矢理顔を上げさせられた。
「い…たく、なぃ…」
こんなの嘘。
本当は涙が出そうなくらい痛い。
でも、痛いと言えば辞めてくれる?
──答えはNo。
だから、最後まで反抗して、飽きるまで続けてあげる。
「…向こうの奴らに何吹き込まれた?」