狼の愛したお姫様
悲憤慷慨
“俺のもう一つの隠し事は───”
もう一つの隠し事を私に伝えたあと、怜は言った。
「一日だけ時間をやる」と。
私が逃げるなんて微塵も思ってないらしい。
ネックレスもちぎられて、携帯も持っていない。
GPSもついてないから、私がどこにいるのかさえわからないのに一日の猶予を与えた。
「どうすればいいの…?」
足に上手く力が入らない。
殴られた所もまだ痛む。
…こんな格好で遥達のところに行けば、心配かけちゃうよね。