狼の愛したお姫様
気がつけば走っていた。
「はぁ…はぁ…っ」
だんだんと見知った街並みが見えてくる。
この先を曲がれば、皆がいる───。
「はぁ…、はぁ…」
私はこのシャッターを開けて、本当に後悔しない?
…ううん。
今日どんな行動を取ったって、きっと私は後悔する。
じゃあ、そんな後悔の中でも、一日だけでも、最高に幸せって思える場所に居れたらいい。
「…ただいま、みんな!」
────だから私はここを選んだの。