狼の愛したお姫様
その鼻歌は確かに、童謡にある「指切りげんまん」で。
「指切りげんまん、嘘ついたら?」
ニヤリと笑うその人の背中には
“皇華 7代目”の文字が刺繍してある。
「あ〜あ、僕のお姫様は脱走癖が酷くてダメだなぁ。」
「遥がちゃんと繋いでおかないからだ。」
「それもそうですね…古い鎖はちぎりますか。」
「確かにあんな錆びかけの鎖なんか余裕でちぎれそうっすね!つか俺一人でよくね?!」
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