狼の愛したお姫様


怜たちにも負けないバイクの数、そしてその前に立つ四人。



「…なんの真似だ、皇華が。」


怜の低い声にも顔色ひとつ変えず、遥は未だにあの童謡を鼻歌で歌っている。



「だって約束、したもんね?」

満面の笑みで小指を突き出し問いかける遥は、私の斜め後ろにいた人を見て目をまん丸にした。




「あー!“いかにも”男!やーっぱそっち側だったかぁ…」


むすっとしながら遥は訳の分からないことをブツブツと言っている。


「いかにも男…?」

「遥さんのネーミングセンス…っ」


陸たちに笑われてるけど、それはそれでいいのかな…?





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