狼の愛したお姫様
「ごめんね……」
泣かないで、叶望。
君が泣いている時にその涙を拭ってあげられなくて、僕の方こそごめんね。
「幸せに、なってね…?」
君がいなきゃ僕が幸せになれない事くらい、知ってる癖に。
意地悪だなぁ、叶望は。
「たくさん、幸せをありがとう。」
こちらこそありがとう。
でもね、叶望。
「───これからも、だよ。」
指切りげんまん、あれも冗談なんかじゃない。
ただ一つ君を繋ぐものが欲しくて、僕が一方的に作った約束。