狼の愛したお姫様
「…いっ…」
目が覚めると激痛が走った。
いや、痛みで起きたと言っても過言ではない。
「………」
自分の身体を見て、思わずため息がでる。
「俺から逃げるからそうなんだよ。」
コトン、と目の前に置かれた飲み物と薬。
薬の方はきっと痛み止め。
「今日もやられなきゃなんねぇからな」
この男は心配なんかしていない。
“玩具”が壊れるのが嫌なだけ。
だから、痛み止めという一時的な修理をして満足してる。