狼の愛したお姫様


「でも…!」

私は帰らなきゃいけない。

GPSが機能してないとはいえ、学校に行けば怜とは嫌でも会ってしまう。



私は逃げられない。
今までだって、1度も…





「どうしても君が帰りたそうな顔に見えないんだよね。」


遥さんが私の顔を覗き込み、そう言った。



「…そんな顔の子、僕は帰せないよ。」


今日、帰ればもう遥さんには会えないかもしれない。

…いや、絶対。
絶対に会えない。




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