狼の愛したお姫様
愛執染着
最近、同じ夢を何回もみる。
「大丈夫?今日もうなされてたけど…」
その度に遥に起こされて、心配をかけてしまう。
「大丈夫だよ。ちょっと嫌な夢見ちゃっただけ」
その夢の内容は、怜の事。
今まであったことや、なかったことまで夢だからごちゃごちゃになって出てくる。
「顔色悪いぞ。」
ぼーっとしていると、冬真から小突かれた。
「あ…ごめん。」
「…ったく。叶望がそうだと遥もアレだからな」
ちらっと冬真の目線の先にいた遥を見ると、ソファに倒れ込んでいた。